証拠があなたを守る 「浮気LINE」の残し方、3つのポイント
LINEにTwitter、Facebook――。様々なSNSが花盛りの昨今では、こうしたツールが原因で配偶者の浮気が発覚するケースが増えている。
浮気が確実なものであれば、裁判で離婚できる。
しかし日本ではどんなに離婚したくとも、いきなり離婚訴訟を起こすことはできない。当事者同士で協議して折り合わなければ、次のステップは調停員を間に挟んで話し合う離婚調停になる。
どの過程でも大切なのが、証拠だ。不貞行為の確実な証拠があれば、裁判はもちろん、交渉や調停も有利に進めることができる。
探偵に依頼するのが一番いいのはわかってるけど、お金がない・・・そんな時の方法をあげてみます。
例えば近年、ベッキーさんの不倫騒動などでも注目を浴びたLINE。LINEをきっかけに配偶者の浮気が分かった場合、どのように証拠を残したらよいでしょう。
不貞行為の証拠を集める際は、以下の3点を意識するとよいと思います。
(1)一つの証拠だけで戦わない。最初に見つけた証拠をきっかけにたくさんの証拠で合わせ技一本を目指す
・離婚訴訟で不貞行為があったことを認めてもらうのはハードルが高い
・ラブホテルや不倫相手と行ったと思われるレストランの領収書、クレジットカードの明細書なども有力な証拠になりうる
・最近はLINEをはじめ、自分で集められる証拠が増えている
(2)なるべく改ざんを疑われないような残し方をする
・デジタルデータは転送せず、画面をそのまま撮影する
・LINEは一括ダウンロードも有効
(3)プライバシー侵害や不正アクセス禁止法に抵触しないように気を付ける
・プライバシー侵害を避けるために、浮気の事実を掴んだ上で、相手に自ら見せてもらう手も
・不正アクセスを避けるために、カギとなるのが「機内モード」
・相手のSNSへのログインを試すのは危険
<ポイント1:一つの証拠だけで戦わない。最初に見つけた証拠をきっかけにたくさんの証拠で合わせ技一本を目指す>
もう少し関係に継続性があり、肉体関係があることをはっきり証明できるような証拠を集めたほうがよいでしょう。
<ポイント2:なるべく改ざんを疑われないような残し方をする>
まずLINEは、デジタルデータです。以前は「デジタルデータは改ざんされやすいので、証拠としての価値が低い」とされていました。しかし近年は、デジタルデータの証拠が増えてきていますので、昔ほど厳しくはありません。そうであっても、改ざんされたものであると言われにくい形で証拠を残しておくことが望ましいです。
この点を重視すると、LINEのやりとりをご自身の携帯に転送するのではなく、LINEのやりとりが表示されている夫のスマホそのものを、写真撮影しておくのが良いと思います。できれば、そのスマホが夫の携帯であることが分かるよう、携帯番号が表示されているプロフィール画面も撮っておくとよいです。
また、LINEは、やりとりが多くすべてを写真撮影で証拠として残す余裕がない場合もあると思います。そのようなときには、LINEには一括ダウンロード機能があります(2016年6月現在)。この機能でトーク内容をダウンロードしておけば、相手とのやり取り全てをタイムスタンプ(日付・時間)付きで、テキストファイルで残せますので有効だと思います。
<ポイント3:プライバシー侵害や不正アクセス禁止法に抵触しないように気を付ける>
細心の注意を払う必要があります。プライバシー侵害や不正アクセスに当たるような証拠の集め方をしてしまうと、その証拠が採用されないばかりか、最悪の場合は相手方から訴えられる危険性もあるからです。不正アクセスについては、刑事罰もあり得ます。
まず、プライバシーの侵害については、夫婦といえども無断で他人の携帯を見れば侵害になります。そのようなプライバシーの侵害をして見つけた証拠であっても、民事訴訟においては、一律に証拠として使ってもらえない訳ではありませんが、まれに証拠として使ってもらえなかったケースもあるようです。
収集した証拠がプライバシーの侵害をしていることは、現実には良くあります。強引な収集をしていた場合など不安があるようであれば、突然、調停を申し立てるのではなく、当事者同士の話し合いの場を持ち、本人に自ら証拠を見せてもらうか、白状させることで不安な証拠を使うのをできるだけ避けるのも一つの戦略だと思います。
相手に自ら見せてもらった画面を撮影し、できれば浮気を白状している音声も録音しておけば万全です。ここまで揃えば、かなり有利に事を運ぶことができるでしょう。
不正アクセスについては、携帯に既に保存されているデータを見る限りでは問題ありません。
LINEのトーク履歴も、基本的には、携帯に保存された箇所だけを見る分には不正アクセスにはあたりません。
ただ、LINEもそうですが、アプリを開くと勝手にインターネットにアクセスしてしまうアプリもありますので、アプリを開く前に、携帯を機内モードにするなど通信を切ってから見た方が良いです。
思い当たるIDとパスワードを片っ端から入力してログインを試す…といった行為は不正アクセスに当たる可能性があります。これはLINEに限らず、他のSNSも同じです。
これらのポイントは、TwitterやFacebookといった他のSNSでも変わりません。
一度は一生添い遂げようと結婚した相手。ただでさえ浮気でショックを受けているのに、ここまでしなければならないのかと感じるかもしれません。
しかしいくら夫婦といっても、離婚ともなればもはや「仁義なき戦い」。
親権か、財産か、はたまたプライドか――。あなたの譲れない何かを、守る手助けをしてくれるのが「証拠」なのです。
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