別居中の妻に「夫のクレカ」利用をやめさせたい
離婚や別居の際、夫婦間でトラブルになりやすい「お金」の問題。
別居中の妻が、同居中に渡した私名義のクレジットカードを使っていることが発覚。身に覚えのない請求書が届き、気づきます。
「別居中の妻が使ったカードの支払いを、私がするべきなんですか?」
別居中の妻が夫のクレジットカードで買い物をした場合、夫に支払う義務があるのでしょうか?
生活費の支払いなら、請求額は夫が負担する必要あり
そもそも、自分名義のクレジットカードを配偶者や子どもに渡して使わせてはいけません。カード会社の規約や約款で禁止されています。
ただし、カードの種類によっては、生計を共にする配偶者や、満一八歳以上の子どもが利用できる「家族カード」が発行される場合があります。ご相談のケースで、妻に渡したのが家族カードであれば、規約には反しません。しかし、家族カードを使った場合の支払い義務者はあくまで契約者です。
万一、自分名義のカードの管理を配偶者に任せていたような場合には、別居する際、必ず家族カードを含め全てのカードを返してもらいましょう。
返却を受けておかないと、配偶者に自分名義のカードを勝手に使われる可能性があり、配偶者に自らカードを渡していたような場合には、支払いを免れるのは難しいでしょう。
カードの紛失や盗難等による不正使用については、保険が適用される場合がありますが、家族や同居人による不正使用は免責対象とされ、保険は適用されないとされているのが一般的です。また、配偶者に不正使用されたとしても、支払い義務はカード契約者にありますので、支払わないまま放置すると、信用情報機関に登録されてしまいます。
もし万一、離婚後、元配偶者に自分名義のカードを勝手に使われていることが発覚したら、すぐカード会社に連絡して、カードを利用停止にしてもらいましょう。しかし既に使われてしまった額についてはカード会社に支払いをする必要があります。その上で、元配偶者に損害賠償請求などを行っていくことになるでしょう。
なお、ご相談者は、別居中の妻が使ったカードの請求額を支払うのは納得いかない、と思っているのかもしれません。
しかし、離婚していない以上、婚姻関係は継続しています。
夫婦には、お互いの生活レベルが同等になるよう助け合う義務があり、結婚生活を維持するために必要な「婚姻費用」(日常の生活費など)を収入に応じて分担しなければなりません。離婚前提に別居している場合でも、その義務を怠ることは許されません。
上述のとおり、別居中の妻にカードを使用させるのは好ましくありませんので、カードの返却を受けた上で、相当な額の婚姻費用を送金するようにしましょう。
0コメント