離婚した方がいい場合と後悔する場合
離婚した方がいいのかという問題は、個人の価値観や置かれた状況によって判断が異なります。
画一的に、「こんな状況の時は離婚した方がいい」なんて、無責任なことは言えません。
しかし、離婚したら確実に起きうることはある程度決まっていますので、それらを伝えていきたいと思います。
その結果、以下のようなことに気づいてもらえれば嬉しいです。
○離婚をしたら絶対に後悔するからやめておこう
○離婚で後悔する理由を把握して一つ一つ対策しておこう
○離婚して後悔する気はしないから傷が浅いうちに離婚しよう
○いずれにしても後悔のない決断を下すことを祈っています。
離婚するかどうか考えるヒントを3つ紹介します。
迷うなら離婚してはいけない?
突然ですがお伝えしたいことがあります。
迷うなら離婚しないでください!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(※ 今、素直にどう感じたかを覚えておいてください)
「迷うなら離婚するな」といわれて、どう感じましたか?
よくある反応の仕方は3パターンあります。
○妙に納得してしまう
○心が強く動かされる(反発、絶望 等)
○何も感じない
あなたは、どう感じたでしょうか?
実は、今のあなたの感情があなたの本当の気持ちに近いです。
妙に納得してしまう
「離婚しない方がいいよな」と妙に納得すれば、離婚準備を始めるのはまだ早いと思います。
結婚すれば、誰しも一度は離婚を考える可能性があります。
いつもは仲の良い夫婦であっても、激しく喧嘩することは十分に考えられます。
夫婦関係が冷え込んでいる場合には「離婚」ではなく「夫婦円満」の方法を模索するべきです。
心が強く動かされる
「離婚しないほうがいい」という言葉に反発したり絶望するなど心が動かされる場合には、離婚準備をはじめても良いと思います。
離婚準備を進める中で、「やっぱり離婚したくない」と思うか「やっぱり離婚したい」と思うかは、離婚準備をすすめればハッキリと判断できると思います。
今の時点で「迷う」のは、離婚に対する知識や、離婚後の生活をイメージできないからです。
今の時点で離婚するかしないかを決意する必要は必ずしもありません。
離婚準備を進める過程で、判断すれば良いのです。
離婚して幸せになれるかは、あなたのこれからの努力次第です。
むしろ、離婚を切り出すのは、離婚後の生活設計のイメージがついてからにすべきです。
無計画に離婚を切り出した挙句に、イキオイで離婚に踏み切ることは絶対にお勧めできません。
無鉄砲に離婚しても絶対にいつかどこかで後悔することになります。
例えば、離婚自体には成功しても不動産についてきちんと検討しなかった結果、離婚してから14年後に住宅ローンの支払いを求めれ、再婚相手に迷惑をかけた人もいます。
離婚準備では、目先の離婚だけではなく離婚後の生活を見据えて、やるべきことやることが重要です。
何も感じない
何も感じない人は、離婚後の生活について知識が乏しい可能性があります。
離婚して苦労したことは?
まずは、離婚して苦労したことをヒアリングしたアンケート結果から紹介します。
苦労したこと 割合(%)
1 生活費 37.7
2 役所の手続き 27.6
3 子供の養育費 21.9
4 住む家 21.7
5 子供への悪い影響 17.6
6 就職や昇進など、仕事について 17.3
7 世間体 17.3
8 慰謝料の支払い 12.7
9 裁判 10.4
10 老後の生活 9.2
11 老後の年金 6.8
12 その他 8.9
13 とくに苦労した事はない 16.9
14 答えたくない 2.3
その他の自由回答欄には、以下のような答えもありました。
子供の心境を常に気遣ったこと
ショックから立ち直るまで
約束事の不履行
元夫ののストーカー行為
職場での好奇の目
子供の教育などのお金
離婚調停での戦い
さて、苦労したと回答があった項目について、もう少し詳しく考えていきます。
お金
アンケート結果をみれば明らかですが、離婚後にお金の事で苦労する人は多いです。
○生活費
○慰謝料
○養育費
○年金
離婚するということは、自立して生きていくことです。
人生で頼れる人が一人減るのですから当然です。
自分の生活費を自分で稼いでいく覚悟がない人には、離婚はお勧めできません。
離婚後に貧困に陥ることが確実なのであれば、離婚は辞めておいた方がいいかもしれません。
また逆に、財産の半分を離婚する配偶者に分けたくない方にもお勧めできません。
特に熟年離婚の方に多いのですが、「財産分与は夫婦で半分ずつで分ける」という原則を認識していない方もいらっしゃるようです。
そのため、絶対に離婚すると言い張っていた方(特に男性)でも、財産分与で夫婦で分けるお金がいくらなのかを知ると、「相手の態度次第では離婚しなくてもいい」と態度を180度変える場合も珍しくありません。
特に、財産分与でトラブルに発展することが多いのは、「不動産」の分け方についてです。
「売却して現金で分ける」、「住み続けたい」と意見が衝突するのは珍しくありません。
仮に、売却するにしても住宅ローンの残債よりも高く売れる保証はどこにもありません。
そのため、夫婦で持ち家を所有している人は年齢性別を問わず、不動産価格を早めに調べることをお勧めします。
子供
子供に対する悪影響を懸念する人も多いです。
離婚するかの判断に、子供の意思が100%尊重されることはありません。
そのため、両親の離婚は、自分のせいだと思い悩んでしまう子供も存在します。
また、大好きだったお父さんお母さんに突然会えなくなったり、再婚相手と馴染めなかったりすれば、大きな影響を与えるでしょう。
明るい子供がふさぎこんでしまったりすることも珍しくありません。
さらに、片親の悪口を吹き込んだりすれば、親権者の偏った主張を信じてしまうことも十分に考えられます。
これは、親権者にとっては短期的には良いことなのかもしれません。
しかし、子供が大人になれば、真実がわかる時がいずれ訪れます。
その時の反動で、今まで良好だった親権者との関係が悪化することもあるそうです。
現実には、離婚で子供を不幸にしている親がとても多いです。
離婚した方が子供の幸せにもなると胸を張れないのであれば離婚を後悔するかもしれません。
仕事
日本のお堅い企業(銀行等)では、独身者は出世が一回り遅くなるということが現実にあるようです。
家庭をマネジメントできない男に部下のマネジメントができるわけがないと、本気で考えている人もいます。
そのため、離婚をしてもすぐに再婚する男性も少なくありません。
世間体
世間体という形の掴めないものに悩まされる方も多いです。
出身地によっては、一度離婚すると、ずっと陰口を叩かれ続けられる場合もあります。
しかし、今や離婚は珍しいものではありません。
離婚した方が幸せだと感じるのであれば、周囲の意見に囚われず堂々とすればいいと思います。
パートナーの大切さ
離婚してから初めてパートナーの大切さを再認識するケースもあります。
「やっぱり大好きだった」と、離婚自体を後悔する男女は意外に多いのです。
婚姻期間が短かったり、離婚を決断するまでの時間が短かったりすると、そのケースに当てはまり易いです。
このような事態を防ぐためには、迷っているくらいなら離婚しないことが大切です。
「離婚したほうがいいかな?どうしようかな?」と悩むくらいであれば離婚はやめましょう。
姓の問題
仕事場での呼び方を旧姓に戻すのか戻さないのかで悩む女性は多いです。
仕事場での呼称はそのままにできればいいですが、企業によってはそれを許可してくれない場合もあります。
姓の問題を考える時には、世間的な見られ方よりも、自分のアイデンティティーがどちらにあるかで決めると良いでしょう。
但し、思春期の子供がいる時は、子供の意見を尊重することを検討しましょう。
健康問題
自分のことを気遣ってくれたり、気軽にコミュニケーションが取れる相手がいないことは、自分の寿命を縮める可能性が高いです。
健康は毎日の積み重ねが重要なのです。(食事、清潔な服、掃除が行き届いた部屋など)
離婚するにせよ、周囲とのコミュニケーションは積極的にとるように心掛けましょう。
離婚した方がいいか考える方法
さて、これまでは離婚で苦労することや後悔する可能性が高い事柄についてお話してきました。
ここからは、離婚した方がいいか考える手順について説明したいと思います。
1.まずは冷静になろう
2.どちらの将来が魅力的か考える
3.将来をイメージする質問
まずは冷静になろう
自分の将来をしっかり考えるためにも、まずは冷静になってください。
なぜ冷静になることが大事なのかと言えば、人間は感情的になると前頭前野の働きが落ちてIQが落ちるからです。
誰もいない静かな空間に身を置くことから始めて下さい。
どちらの生活が魅力的か考える
冷静になった上で、現状維持の結婚生活と離婚後の生活はどちらに希望が持てるかを考えてみましょう。
新しい道を歩む時に大切なのは、意思の力です。
今まで紹介してきた、「お金」、「子供」、「仕事」、「生活スタイル」などの観点で、離婚後の将来を想像してみましょう。
将来を想像するというよりは、どんな将来を勝ち取りたいか?と自分に投げかけてみれば自ずと答えはでるはずです。
将来をイメージする質問
分に投げかけるべき質問をすぐに思い浮かべることが出来る方も少ないでしょう。
そんな方のために、将来をイメージするための質問をいくつか用意しました。
離婚問題を考えるにあたり、女性と男性で少し質問の内容を変えました。
あなたの性別に応じて参考にしてください。
女性版
○離婚する意思は一時の気の迷いではないか?
○本当は配偶者のことが大好きではないか?
○経済的に自立する覚悟はあるのか?
○モラハラの原因は自分にあるのではないか?
○老後の年金を考えば、嫌な夫でも一緒にいたほうが得ではないか?
○やり直せる若いうちに離婚すべきではないか?
○離婚しても子供を幸せに育てる自信はあるか?
○離婚しても子供のケアをし続ける覚悟はあるのか?
○慣れ親しんだ土地を離れる覚悟はあるのか?
○世間からバツイチ女性と思われてもよいか?
○再婚する希望はあるのか?
○再婚相手と子供の相性はよいか?
○子供の心のケアは十分か?
男性版
○本当は配偶者のことが大好きではないのか?
○妻や子供に養育費を支払う覚悟はあるか?
○財産分与で今まで築いた財産の半分を渡す覚悟はあるか?
○家事全般を一人でこなせるのか?
○仕事に打ち込める環境を捨てるのか?
○自分の態度を治せば相手は復縁してくれるのではないか?
○人生やり直せるうちにやり直すのがお互いのためではないか?
○子供の成長する姿を身近で見守れなくても大丈夫か?
○再婚するのは現実的か?
回答に悩む質問もあったかもしれません。
「踏ん切りがつかない」というのであれば、行動しても後悔する可能性が高いです。
一方で「離婚した方が幸せになれる」という決意があればGOサインです。
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