円満で幸せな熟年離婚をするための方法
「熟年離婚」という言葉を聞くようになって久しくなりました。
実際に熟年離婚をしようかと悩まれている方は少なくないのではないでしょうか?
そんな時に気になるのが「熟年離婚して幸せになるのか』ということでしょう。熟年離婚して幸せになるかそうではないかは様々なケースがあると思いますが、幸せになるために一つ重要なことは離婚後の生活費を確保することでしょう。
財産分与や年金分割などといった制度を利用することによって離婚後の生活を安定させることができます。
そうすると、財産分与や年金分割など熟年離婚に伴う制度を「どのように進めたらよいのか?」ということが気になるのではないでしょうか。
そこで今回は、熟年離婚を進めていくための手続きについて簡単に書きました。
1、熟年離婚とは?
そもそも熟年離婚とは、婚姻期間が20年以上の夫婦の離婚をいいます。
2、熟年離婚は増えている?また熟年離婚率は?
熟年離婚を考えている方にとっては、実際にどのくらいの数の夫婦が熟年離婚しているのかや、熟年離婚率が気になるのではないでしょうか?
それぞれ以下の通りです。
(1)熟年離婚する夫婦の数
2011年のデータでは40,859組の夫婦が熟年離婚しています。
この数はここ数年間、横ばい傾向です。
(2)熟年離婚率は?
熟年離婚率は「全体の離婚に対する熟年離婚の割合」をいいます。
熟年離婚率は16%前後で離婚数と同じくここ数年間横ばい傾向です。
3、熟年離婚の理由・原因は?
次に熟年離婚を考えている方が気になるのは、「他の夫婦はどのような理由・原因で熟年離婚しているの?」ということではないでしょうか。
熟年離婚の理由・原因として主なものは以下の通りです。
○価値観の違い
○性格の不一致
○舅・姑と合わない、介護がつらい
○会話がない
○浪費・借金
○家事を全くしてくれないなど家庭を顧みない
○相手方による精神的・肉体的虐待
○相手方の異性問題(浮気・不倫)
○他に好きな人ができた
4、どのように離婚を切り出すのか?
いよいよ実際に熟年離婚の進め方をみていきましょう。
離婚の切り出し方としては以下の2つの伝え方が考えられます。
○直接会って離婚したい旨を伝える
○別居状態である場合などは書面で離婚したい旨を伝える
妻から熟年離婚を切り出す場合、夫としては唐突な印象を受けることが少なくありません。
そのため夫はなかなか離婚を受け入れてくれないので説得が必要となるケースが多々あります。
そのため、「直接会って離婚したい旨伝える」を選択できるとよいでしょう。
5、熟年離婚時の財産分与請求の方法
では、いよいよ実際に熟年離婚していくための手続きに入っていきましょう。
まずは財産分与です。財産分与とは、婚姻期間中に増えた資産を分け合うことです。婚姻期間が長いと財産分与請求できる金額も高額になる傾向があります。
(1)退職金について
熟年離婚において、退職金の財産分与は重要な問題です。
熟年離婚においては、退職金をもらえるケースが多いでしょう。
(2)借金も財産分与の対象となる?
資産(プラスの財産)だけでなく、借金(マイナス財産)も財産分与の対象となります。
6、年金分割の方法について
平成19年に年金分割の制度が設けられたことにより、専業主婦でも最大で夫の年金の半分をもらうことができるようになりました。
そのため、老後の生活費の心配が少なくなりました。
年金分割が熟年離婚を後押ししています。
もっとも、年金分割は制度の仕組みについて分かりにくい部分があります。
年金分割については過去記事に載せてあります。
参考にしてみてください。
7、慰謝料について
熟年離婚の原因が以下のような場合には相手方に対して慰謝料請求できる可能性があります。
○相手方の浮気・不倫
○相手方のDV・モラハラ
○悪意の遺棄
○セックスレス
もっとも、相手方による行為が行われたことを知った時から基本的には3年しか請求できないので注意が必要です。
8、親権
熟年離婚の場合にはあまり問題となることはありませんが、もし親権が争いとなるケースでは、確実に親権を抑えておきたいところでしょう。
9、熟年離婚の手続きの流れ
熟年離婚の手続きの流れとしては以下の通りです。
(1)話し合い
まずは話し合いでの解決を試みましょう。
もし、話し合いがまとまった場合には離婚協議書を作成しておきましょう。
(2)調停
もし話し合いでの解決が難しい場合には、調停をすることになります。
(3)裁判
もし、調停でも話し合いがまとまらない場合には裁判をすることとなります。
裁判については調停以上に手続きが分かりにくい部分があります。以下まとめましたのでご参考下さい。
①裁判できる場合
調停の場合と異なり、裁判は離婚理由が必要となります。
具体的には、以下の通りです。
○不貞行為
○悪意の遺棄
○3年以上の生死不明
○回復の見込みのない強度の精神病
○その他、婚姻を継続しがたい重大な事由(暴行、浪費、犯罪、性格の不一致など)
②離婚裁判の申立て方法
裁判の申立ては訴訟提起といいます。
申立てには訴状を作成する必要があり、調停に比較して専門的知識が必要となります。
③離婚裁判の進め方
進め方についても、適切なタイミングで適切な証拠を出したり、準備書面を書いたりなど対応が必要となります。
熟年離婚後の生活ですが、離婚前に考えていた通りに幸せになったという人もいれば、そうではなく逆に不幸になってしまったという方もいます。
正直、熟年離婚前の段階で離婚後幸せになるか否かを予測することは難しいことです。
しかし、ここまで書いた対策をとって財産分与や年金分割をきちんと請求することによって、「少なくとも」生活が苦しくなることは回避できます。
お読み頂き、参考にしてもらえれば嬉しいです。
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