日常生活に潜むモラハラの対処法と、モラハラ離婚の慰謝料の相場

最近、「モラハラ」という言葉をよく耳にしませんか?

テレビや雑誌、インターネットで連日のように取り上げられている言葉ですが、言葉自体は知っているけれど、実はきちんとした意味を知らないという方もいるのではないでしょうか。

しばしば、職場や家庭内でのトラブルの原因ともなり得るこの「モラハラ」。

今回は、家庭内に潜む「モラハラ」に注目して、「モラハラ」にあってしまったときどのように対処するべきか解説します。


モラハラについて

「モラハラ」、いわゆるモラルハラスメントとは、倫理や道徳を意味する「モラル」と、いやがらせを意味する「ハラスメント」を合わせた言葉です。

その言葉の意味の通り、言葉や態度による精神的な嫌がらせや暴言などのことを指します。

暴力とは違い、目に見えるような肉体的な被害がないために、自分の気付かないうちに被害に遭っていることが多いです。

時には、うつ病などの精神疾患に陥ってしまうケースも少なくありません。

モラハラの具体例

モラハラによる被害は夫婦間において生じることが多々あります。

例えば、「生活費を入れてくれない」や「趣味や娯楽などを自由に使えるお金をくれず、制限される」といった金銭的なことに加え、無視や舌打ち、ため息などの無言の圧力もモラハラにあたります。

どれも普段何気ない日常生活の中ではありがちなことですが、これが積み重なることで重大なトラブルの原因となってしまうのです。

特に、このモラハラは気付かないうちに被害者にも加害者にもなり得るのです。


モラハラに遭ってしまったら

モラハラ被害者の間違った考え方

モラハラの被害に遭った被害者の方によくある考え方に、「自分が我慢すればいい」「自分に悪いところがあった」「普段はやさしいから明日になれば大丈夫」といったものがあります。

このような人は、被害を受けているうちに「自分が悪い」と自分自身を責めるようになってしまいます。

しかし、モラハラに該当する場合、加害者が悪いのは当然です。

こうした我慢の積み重ねが精神疾患や、最悪の場合自殺につながってしまうこともあります。

大丈夫だと思えているうちはいいですが、精神的に追い詰められてしまってからでは遅いのです。

精神的に追い詰められて限界に達してしまえば、その後に弁護士へ依頼をするとなると非常に困難な場合も少なくありません。

モラハラの対処はスピードが命

「もしかして、これってモラハラかな?」と思った場合には、すぐに行動を始めることをおすすめします。

モラハラをしてしまっている人は、自分のモラハラ行為に自覚がない場合がほとんどです。そのうち無くなるだろう思っていてもなかなか改善することはありません。

話し合いや交渉では、緊急事態の場合には手遅れとなることもあります。


モラハラの応急措置1「別居」

そこで、まず「別居」することから始めましょう。

物理的に遠ざかり、自分にかかるストレスをなるべく軽減させることがモラハラによる被害を悪化させない有効な手段の一つです。

そこで、合意の上で別居する旨を書面に残しておくことが大切です。

なにも言わずに出て行ってしまえば離婚をする際に不利になってしまう場合もあります。

また、いくら別居をしたいと言っても許してくれない、あるいは、話し合いにも応じてくれない場合には、別居を強行しても不利にならないか個々の家庭状況によって異なるため、より専門的な判断が必用となります。そのため、必ず弁護士相談しましょう。

たとえ別居をしたとしても籍が残っていれば、相手には婚姻費用を支払う義務が存在します。

この婚姻費用は婚姻費用算定表が基準となるので確認しておくことをおすすめします。


モラハラの応急処置2「医師の治療」

いざ、別居をしてみたはいいけど、いまだ精神的不安が拭えず心配だという方は、医師に相談してみましょう。

現在は、心療内科を専門とするメンタルクリニックも増えてきています。

これくらいのことでと思わずに専門の医師に診てもらいましょう。

知らないあいだに状態が深刻であったなんてこともあるのです。


モラハラの応急処置3「離婚」

以上の応急処置を施した後は、離婚するかどうか検討しましょう。

ここで、離婚をしない場合であっても必ず周囲の友人や相手も両親に相談し、対策をとってください。

そのまま別居を解消してしまうと、さらにモラハラが悪化してしまうケースもあります。

離婚をする場合、モラハラの被害者であるあなたに有利な離婚条件となるよう、交渉が必要となりますから、離婚問題に強い弁護士のアドバイスを得ておきましょう。


モラハラによる離婚について

離婚原因として一番多い理由は、「性格の不一致」というあいまいな言葉でくくられることがものです。

しかし、その中には、暴力ではなく浮気でもないけれども許されない「モラハラ」が原因なケースは少なくありません。


モラハラを理由に離婚をするには

別居をしてみて、婚姻関係を継続したくない、あるいは、できないという場合に残された手段はやはり「離婚」しかありません。

離婚の場合ですが、離婚には、「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3つの種類が存在します。


モラハラを理由とする協議離婚の難しさ

まず、「協議離婚」ですが、最も一般的な離婚の方法になります。夫婦が2人で話し合いを行う、つまり、協議をすることで離婚の合意をします。

協議に応じてくれればいいですが、何度を言うように、モラハラをしている側は無自覚にしていることが多いです。そのため、話し合いによって相手に非を認めさせることが困難です。毅然とした態度で離婚の意思を伝えることが重要となります。


モラハラを理由とする調停離婚

次に、「調停離婚」ですが、調停離婚は協議離婚では離婚の合意が困難である場合に行われます。

調停委員を介して離婚の合意を図るため、お互い冷静に話し合いを行えるというメリットがあります。

その場合、調停委員という第三者に理解してもらう為に適切な説明を行うことが大切です。

しかし同時に、話し合いの場が月に一回程度に限定されてしまうというデメリットも存在します。

特に、モラハラの加害者の場合、調停委員にも食ってかかったり、調停に応じなかったりなど、自分がモラハラの加害者であることを気付かないあまりに問題行為を繰り返す方も多いものです。


モラハラを理由とする裁判離婚

最後に、裁判離婚です。

協議離婚に次ぎ調停離婚でも離婚の合意がなされなかった場合に、この裁判離婚は行われます。

ここでは、合意に至らなくても強制的に婚姻関係を解消させることができます。

ただし、裁判離婚では法定の離婚自由がなければ離婚をすることはできません。

現在の法定の離婚事由にモラハラは明確にはあたらないとされています。

程度が酷い場合には民法770条1項5号「その他婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚事由になりえますが、その程度がどの程度であるのか明確な基準がない上に、家庭という密室で行われるため証拠の取得が困難となります。


モラハラによる慰謝料について

慰謝料の相場

モラハラの被害に対する慰謝料の相場ですが、約50万円~300万円だと言われています。

慰謝料の増減に考慮される事由は以下の通りになります。

☛ 「モラハラ行為の回数や頻度」

☛ 「モラハラが継続していた期間」

☛ 「モラハラの被害による精神疾患の有無」

☛ 「モラハラの被害による精神疾患の程度」

これらのことを踏まえて、個別に慰謝料の額が決められます。

当然に、程度が重ければ慰謝料の額は増えますが、明確な基準はありません。


慰謝料を少しでも多く取るためには?

証拠を残す

まずは、証拠の確保から始めましょう。

ボイスレコーダーや写真、診断書など様々な方法がありますが、証拠は多いに越したことはありません。

可能な範囲でできるだけ多くの証拠を残しておきましょう。

日常的に被害を受けていた場合には、その様子を日記として残しておくことも有効な手段と言えます。

医師の協力を得る

慰謝料を請求するにあたり、医師の診断書は絶大な効果を発揮します。

有利な診断書を取得し、被害の経緯をカルテに記載してもらうとさらに良いです。

相手の財産を把握する

相手に請求する慰謝料が決定したけれど、払われずに逃げられてしまうこともあります。

そんな時は、「強制執行」が可能です。

強制執行をする際には、相手の財産がどの程度あるのか知る必用があります。

同居中に銀行や証券会社、職場などからの郵送物を確認し把握しておきましょう。

そうすることで、口座や給与債権の差し押さえが可能となり、慰謝料を請求する際の圧力として利用できます。


今、モラハラによる被害を訴える人は増加傾向にあります。

そこには、モラハラという言葉が周知され、いままで人知れず被害に遭っていた人が自信をもって行動し始めたという背景があるのです。

ですから、これを読んで「もしかしたらモラハラを受けているかも…」と思った人はそこで終わりにせずに、すぐに弁護士に相談してみて下さい。

総合探偵社シークレットリサーチ堺 調査員のつぶやき

総合探偵社シークレットリサーチ堺は、浮気調査をはじめ、行動・素行調査・所在調査などの調査全般を専門とする探偵事務所です。 少数精鋭の弊社の調査員が日々の様々な出来事を綴ります。

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