妻の「風俗」勤務が発覚。家計を助けるためでも「離婚」できる?

妻が風俗で働いているという事実だけで、離婚できるのでしょうか。

もし妻が苦しい家計を支えるため、やむなく風俗で働いていた場合はどうなのでしょう。


●性行為までしていたら「不貞行為」にあたる

裁判で離婚が認められるためには、法律に定められた要件が必要です。その一つとして、『不貞行為』(民法770条1項1号)があります。

『不貞行為』は通常、『配偶者ある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと』と考えられています。

風俗店といっても様々な種類の店舗があります。したがって、どのようなサービスを行う風俗店で働いていたのかということによって、結論も異なります。

仮に、働いていた風俗店において性交渉まで行った場合(それ自体に違法の可能性があるという問題は別としても)、いかに生活のためとはいえ、配偶者以外の者と性的関係を結んだということで、『不貞行為』に該当し、離婚原因となる可能性が高いと言えます。

最高裁判所も、生活のために売春行為をした妻に対して『妻の身分のある者が、収入をうるための手段として、夫の意思に反して他の異性との情交関係を持つ』ことは許されないと判断しています。

この事案で裁判所は、いかに生活苦にあえいでいる女性であっても、同じ立場の世の中の多くの女性が、生活費を得るためにそのようなことまでするのが通常であるとは言えないし、それがやむを得ないとは到底考えられない、と述べています。


●「不貞行為」にあたらなくても、離婚原因になる可能性

では、風俗店で働いて性的サービスは行ったものの、性交渉までは行わなかったという場合だったら、問題ないということでしょうか。

その場合は『不貞行為』があったと言えないと考えられます。

ただ、この場合であっても、『婚姻を継続し難い重大な事由があるとき』(民法770条1項5号)に該当するとして、やはり離婚が認められる可能性があります。

こちらの場合は、どのようなサービスを提供していたのか、どのくらいの期間や頻度で働いていたのか、風俗店で働かざるを得ない事情がどの程度あったのか(どの程度家計が苦しかったのか、夫の協力が得られなかったのか)などを総合的に考慮して、『婚姻を継続し難い重大な事由があるとき』にあたるかどうか、判断されることになると考えられます。

なお、妻が風俗店で働いたことを理由として離婚が認められる場合、妻に慰謝料の支払義務が生じる可能性があります。ただ、慰謝料の具体的な金額については、風俗店で働かざるを得ない事情がどの程度あったのかといった事情によって異なってくると考えられます。





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