夫婦が別居したら住民税はどうなるの?
近年、別居する夫婦が増加傾向にあると言われますが、世帯が別になったら住民税はどうなるのでしょうか?
世帯主が変わるならやっぱりそれぞれが住民税を払わなくてはいけなくなるのでしょうか?
夫婦の問題、家庭の問題で別居することに?住民税は?他の手続きは?
住民税も所得税も、所得のあった個人一人ひとりに対して課税されるものですから、夫婦が同居していようが別居していようが関係ありません。
妻は、年末あるいは年明けに両方の職場から「平成28年分 給与所得の源泉徴収票」を交付してもらって、住所地の管轄の税務署で確定申告をして、給与から引かれた所得税を精算しなくてはなりません。
確定申告すればデータが役所に回送されますから、住民税の申告をする必要はありません。
妻の給与収入が150万円あるなら、夫は「配偶者控除」も「配偶者特別控除」も使うことは出来ません。
夫は「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社からいったん返してもらい、
A:控除対象配偶者の欄から妻の氏名・生年月日ほかを二重線で抹消し、再提出してください。
「平成28年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」の右側、◆配偶者特別控除申告書◆部分には、なにも記入せずに提出します。
妻が来年も同じペースで働く予定なら、「平成29年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」のA欄は空欄のまま提出します。
妻の給与収入が150万円あるなら、夫の健康保険被扶養者・国民年金第3号被保険者ではいられません。
妻の職場で健康保険・厚生年金に加入するか、国民健康保険・国民年金に加入することになります。
自発的に、被扶養者分の健康保険証を夫をとおして返却し、引き換えに「健康保険資格喪失証明書」を作ってもらってください。
国民健康保険・国民年金に加入する場合には、住民登録してある役所の窓口に「健康保険資格喪失証明書」を提示して手続きをします。
離婚が前提の別居の場合、住民税以外にも注意しなければならないポイントがある?
別居する場合の注意点
妻が別居を始める場合、特有財産(妻名義の財産、結婚前からの財産)は自由に持ち出せます。
しかし夫の財産を勝手に持ち出すことはできません。
夫名義の通帳や印鑑(実質的共有財産/結婚中に夫婦が協力して取得した財産で、夫婦の一方の名義になっているもの)を妻が持っていたとしても持ち出すことはできません。
養育費、婚姻費用分担としても、予め夫が合意をした場合を除き、勝手に持ち出すことはできません。
夫に養育費や婚姻費用分担の義務があるとしても、それを支払ってもらうには、家庭裁判所に調停や審判で認めてもらう必要があります。
では、妻が養育費や婚姻費用分担として夫名義の預金や印鑑を勝手に持ち出した場合はどうなるでしょうか。
実際には夫が婚姻費用の前払いとして自分の預金の一部を妻が生活費に充当することを事後的に認めるのが一般的であり、状況に応じて考える必要があります。
妻が別居を始めた際、夫が保管していた国債などを持ち出して使ったというケースで、国債の一部を夫婦の実質的共有財産とした上で、
「婚姻関係が悪化して、夫婦の一方が別居を決意して家を出る際、夫婦の実質的共有に属する財産を持ち出したとしても、その財産が将来の財産分与として考えられる対象、範囲を著しく逸脱するとか、他方を困惑させる等不当な目的をもって持ち出したなどの事情のない限り、違法性はない」
として、夫の請求した損害賠償等を認めなかった判例があります。(東京地裁平成4年8月26日)
さらにこの判決は現金についても、
「婚姻中、夫から妻に交付される金銭は、妻において生活費等に使うことが許される性質のものであるから、妻が手許に保留しているとか、違法に使用したりしない限り、その返還を求めたり、損害賠償を請求することはできない」
としています。
子供もいるなら別居の前に住民税にも影響する配偶者控除や扶養控除のことも考えよう!
控除の対象者が70歳未満の場合 夫婦は同居・子供も同居 夫婦は別居・子供は母と同居 夫婦は同居・子供は別居 夫婦は別居・子供も別居
配偶者控除の控除額 33万円 33万円 33万円 33万円
扶養家族の控除額 38万円 38万円 38万円 38万円
控除の対象者が70歳以上の場合 夫婦は同居・子供も同居 夫婦は別居・子供は母と同居 夫婦は同居・子供は別居 夫婦は別居・子供も別居
配偶者控除の控除額 38万円 38万円 38万円 38万円
扶養家族の控除額 45万円 45万円 38万円 38万円
控除額で言うと、配偶者控除より、扶養家族にしたほうが、お得みたいですね。
夫婦で別居する前に、そもそも住民税とはどういうものなのかを理解しよう!
住民税とは
〜都道府県と市区町村に納める後払いの税金〜
住民税とは、住所地の都道府県と市区町村に納める、2つの地方税を合計したものをいいます。
住民税は、会社に勤めている会社員であれば、毎月の給料から天引きされます。
勤務先が本人に代わって各市区町村に納めることになっており、これを”特別徴収”と呼んでいます。
一方、会社を退職した人は、各市区町村から郵送されてくる納税通知書に従って、本人が直接納めることになっており、これを”普通徴収”と呼んでいます。
普通徴収の場合は、一括で納める方法と分割で納める方法の2つがあり、本人が自由に選ぶことができます。分割で納めるときは、6月、8月、10月、翌年1月の年4回が一般的です。
住民税の課税対象となるのは、毎年1月1日〜12月31日までの1年間の所得で、所得のあった翌年の6月から納めることになります。
(住民税は、都道府県の分と一緒に、市区町村にまとめて納めます。)
例えば、2007年1月〜12月までの住民税は、
・会社員の場合
・・・2008年6月〜2009年5月の給料から天引き
・会社を退職した人や、自営業の人
・・・2008年6月、8月、10月、2009年1月に、本人が直接
納付することになります。
つまり、住民税は所得があった月から、1年半遅れの後払いになっているため、たとえ、退職して収入がない場合でも、住民税を納める必要があります。
夫婦が別居して母子家庭になった場合の自治体による保険・年金と所得税・住民税の措置とは?
国民年金・国民健康保険
会社勤めの場合には社会保険に自動的に加入するケースが一般的です。
しかし、パートやアルバイトのシングルマザーは国民年金を支払わなくてはなりません。
国民年金は減免、免除などが受けられる場合があります。
但し、将来受け取る年金額が減りますので注意が必要です。
また、国民健康保険は所得が低い場合や保険料の支払いが難しい人は減免が可能になります。お住まいの市区町村に問い合わせてみましょう。
所得税・住民税の減免
地域の自治体に支払う所得税・住民税は金額も小さくないためシングルマザーにとっては大きな負担になります。
所得が少ない場合には、これらの税金を減額できる制度があります。地域の福祉課に問い合わせてみましょう。
別居するなら知っておこう!住民税「均等割」による二重払いとは?
住民税「均等割」の二重払い
住民税には、所得割と均等割の2種類があり、均等割は、世帯単位で課税がなされます。
単身赴任の際に、夫の住民票を移動させると、通常、奥さんが世帯主となります。
その場合、住民税の均等割分の通知書は、奥さんの旧住所の自治体と、夫の新住所の自治体から送付され、二重に支払うことになります。
しかしながら、二重に支払っても、市民税と県民税をあわせても、2〜4,000円程度ですので、大きなものではありません。
その地域の自治体からサービスを受けている対価と思えば、大したことはない金額と思われます。
参考にされてみてくださいね。
0コメント